各官公庁・公的機関が発表している職員採用試験には臨床検査技師の公務員試験があります
厳密には『試験にパスした臨床検査技師を市の病院・都の病院に就職させることで公務員扱いしますよ』という意味なのですが、この試験に合格するのがとにかく難しいんです
で、最近その公務員試験の異常な倍率の真相が判明したので、記事にしました
公務員を目指している臨床検査技師の方はぜひ参考にしてみてください
臨床検査技師の公務員試験を受けた時の体験談
私は今から数年前にS市の病院に配属するために公務員試験を受けた経験があります
結果から言うと私は最終面接まで行きましたが惜しくも不合格
受験生は大体50名程度いましたが、採用されたのはたったの一名でした
ちなみに試験の流れは
- 筆記+適正テスト
- 面接
- 最終面接
という感じでした。
筆記テストで大体半数が足切り、二次試験では残り数人レベルまで落ち、最終的に合格者は1名という中々過酷なレース
少ない!あまりに少ない!募集をかけるならせめて3,4人くらい正社員にしてくれたっていいじゃないか!
私は当時ひどく落ち込みましたが、実はこの試験に合格できる人数が少ないのはとある理由があるのです
公務員試験合格率が低い理由その①
臨床検査技師の公務員採用枠は病院にもよりますが、2,3年で1人くらいしか採用しないところもザラです
なぜそのようなことが起きるのか?
それは、公的病院では市や都の規定で病院に所属する人数の上限が決まっているからです
わかりやすく言うと『〇〇病院は△△人までしか正社員を雇用しちゃいけませんよ』みたいなルールが市や都の規定で決まっているので、むやみやたらに合格者を出すことができないというわけ
募集が出るのも大抵は院内で正社員が転職・産休・休業などで空きが出た場合に限るので、応募者にとっては非常に狭き門となるのです
公務員試験合格率が低い理由その②
公的病院では非常勤やパートのスタッフに対し、年に一度正社員昇格試験が行われています
合格率はそんなに高いわけではありませんが、外部から採用するよりも、内部(パート)から採用した方が、コストもかからず優秀な人材を確保できます
そしてパートや非常勤で合格者がでれば、その分公務員試験の採用試験合格者は相対的に少なくなります
簡単に言えば、パートや非常勤のスタッフに公務員の募集枠を奪われているというわけです
こればっかりは防ぎようがないので、外部から応募してくる人間にとって試験の合格は険しい道のりといえるでしょう
公的病院に就職したいなら非常勤・パートが手っ取り早い?
「公的病院じゃなければ絶対に嫌」という人なら公務員試験を受験するよりもパート・非常勤で応募した方が結果的に希望通りの職に就ける人が多いと思います。
パートや非常勤には先ほど述べた採用人数の規定というものが存在しないので、とりあえず採用をしてくれる可能性もありますからね
もちろん正社員ではありませんし、必ず正社員になれるという保証もありませんのでそこは注意する必要がありますが。
公務員試験に合格するよりは簡単な道のりかと思います
年齢やスキルによっては正社員になるのが難しい場合もあるので注意
正直女性は結婚や出産による退職があるので不利かなと思います
将来の安定性を考えるなら民間企業の転職も視野に
公務員を目指す理由の一つとして給与の安定が挙げられますが、仮に公務員試験に受かったとしても年収はそこまで大きくは上がりません
そして何度も言うようですが、臨床検査技師の公務員試験は非常に狭き門です
それに今の時代公務員も安定なんか約束されていません。年金だってどうなるかわからないし、そもそも臨床検査技師という仕事自体なくなってるかもしれません。
・年収1000万円越えも?!臨床検査技師が転職で年収をアップさせる方法
もしあなたが給与の安定を求めるのであれば、医療機器メーカーや製薬会社への転職も検討してみてください。
私には臨床検査技師から民間企業への転職の経験がありますが、臨検技師としての実務経験があれば、給料の良い大企業にも重宝される事が多かったです。
私の場合(身ばれが怖いので詳しくは書けませんが)現役時、セルダインルビー(血液)とCP3000(凝固)の使い方をマスターしていた私は、関連会社から内定をいただき、貰えるお給料は現役時と比べて約2倍になりました。
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勿論お金だけがすべてというわけではありませんし、患者さんと触れ合う機会はなくなってしまいましたが、夜勤もなく私生活とのバランスは改善しています。